FighterAce用エンジン音のあれこれ 21/115 Ver3.1

 

 今回半年ぶりに「栄21/115 実機セット」を更新する事が出来ました。今回のバージョンアップによって、この栄21/115の音は、当分は変えなくて良いかなと考えています。正直言うと、現在のTCにおいて、零戦及び一式戦闘機(隼)で戦っている人はかなり少く、FFAを含めてもそれほど多くは無いのではないかと思います。それでも「ハ45/21実機セット」の後に手をつけたかったのが、この「栄21/115実機セット」だったのです。なぜなら、あの有名なプレーンズオブフェームズの零戦52型のおかげで、栄21の音は、とてもポピュラーな音だからです。私自身零戦最初の里帰りの時に、あの栄の音を聞いています。普段聞いているレシプロ飛行機と違い、「バタバタ」とした(垢抜けないw)何とも言えない音が私も大好きなのです。実際フライアブルな零戦は何機かありますが、上記の零戦以外はすべてP&W1830を搭載しています。P&W1830は栄がコピーしたエンジンと言われていますが、やはり栄と違って洗練された音のような気がします。(確実に音は違います。機会があれば、DVDや動画が出ておりますので、聞き比べてみてはいかが?)
 もう一つの理由は、前回のバージョンを、もう少しイメージ通りの音にしたかったという理由です。上記にも書きましたが、栄の音はポピュラーが故にある決まったイメージがみなさんそれぞれあると思います。私にもあります。もっと自分で持っている栄のイメージ通りに音を変えておきたかったのです。
 
 
「栄」のイメージとは.....これが今回の苦労の始まりでした

1・Ver2.0の問題と新バージョンの狙い

 er2.0は、もちろんあのプレーンズオブフェームの零戦からサンプリングした音源を使っています。ブログにも書きましたが、音源がいろいろある割には「移動」している音源が多く、安定した音を探す事が大変でした。最終的には何とか安定した音を探し当てましたが、実際FAで飛ばしてみると....「音が軽い(色々な音が混ざっていますので表現が難しいのですが...)」「他機(特に欧米機)の空冷エンジン機の音が過回転になってしまう。」「私の思っている栄のエンジン音とちょっと違う」という問題があると常々思っていました。そこで、再度エンジン音をサンプリングし直し、何とか自分の思っている通りの栄を作ろうとなったわけです。さて、自分思っている通りの栄の音をサンプリングする訳ですが、零戦の場合「移動」している音源しかないのです。(止まってアイドリングしている音はありますが.....飛行音には使えません。)
 栄については私ばかりでなく、色々な方がFA用のエンジン音を作成していますが、一つとして同じ音はありません。たぶん音源となる零戦は同じですので、同じくなってもいいようなものですが.....これは、音源が「移動」しているからです。みんな違う音になっていますが、どれも間違いなく「栄」の音なのです。どこを切り
取るかによって全く音が変わってしまいます。


 近づいてきている時の音か、目の前を飛んでいる時の音か....遠ざかっていく時の音か...エンジンの回転は....飛行機の速度は...いろいろな条件によって、刻々と聞こえる音は変わります。私の場合FA用飛行音として約3〜5秒くらいの長さで作成します。(前は長かったのですが、最近は少し短くなってきました。)FA内でなるべくうねらないように考慮しながら、全体の中のイメージに合ったほんのちょっとの部分を選んで作成しています。

2・Ver4.xの作成

 実は、Ver3.1の前にVer4.0が存在しています。これは後から説明しますが、Ver3.1とは別なところの音を取り出して作成したバージョンです。ローパスしながら低速で進入して、ゆっくり上昇していく時の、上昇音をサンプリングしました。速度がゆっくりなので、比較的うねりが少ない事と、私の栄のイメージの音だったのでそれを使いました。出来上がってテストの感じは良好!!でしたが.......FA内でずっと聞いていると....何か変な音を繰り返しており、ずっと飛んでいるとその音が気になって仕方がないのです。元音源を調べてみたら、微かに(本当に原音では聞こえないくらいの)人の声でした(通称「幽霊バージョン」)。ということで....残念ながらボツ。そこで、その音の2秒前くらいの音を使って作ってみたのですが、ダメなんですよ...これが。音は似ているのですが、どうもしっくりこないわけです。もうこうなったら、どこか違う状況の音をサンプリングしようということで、いろいろやってみましたが、全てしっくりきませんでした。
 栄エンジンのあの「バタバタ」は、飛んで音が変化している中で聞くと「あ〜栄だな〜」と思うのですが、ずっと「バタバタ」だと全然イメージと合わず、うるさいだけなのです。
 このよ
うに、たった3秒〜5秒の音で、エンジン音そのもの全体を表現するのは、非常に難しい事だなと改めて実感しました。

3・Ver3.xの作成

 なぜに、バージョンが戻っているのか....それはVer3.xが、Ver4.xと違い、Ver2.0と同じ音源を使っているからです。Ver2.0で使用した音源の良いところは、

 ・ 音が安定している。
 ・ 適度に「バタバタ」している。

というところです。Ver2.0の時と同じ事をすれば、バージョンを上げる意味がありませんので、別な仕上げ方をしました。

 ・ 過回転にならないよう、ピッチと速度を調整する。

 ・ 音が軽すぎるという問題を解決する。

 音が軽すぎた原因として、空気を裂く音?(ヒューンという音)が入っているようでしたので、そこを押さえる工夫をしました。音質はなるべく「幽霊バージョン」に近くなるよう調整し、何とかイメージ通りの音に仕上げました。
 前回のVer2.0は正直、零戦・一式戦闘機(隼)くらいでしか使えない音でした。あまりに軽すぎて、欧米機はおろか疾風や紫電改でもちょっときつい状態でした。今回のVer3.1 は、少し軽くはありますが、四式戦闘機(疾風)や紫電改でも使えると思います(もちろん四式戦闘機(疾風)・紫電改メインの方は「ハ45/誉21実機セット」をご使用ください。零戦乗りの方が、たまにそれらの飛行機に乗っても、Ver2.0のように違和感ありありではない....という意味です。)。但し、4発の爆撃機はさすがにきついです。爆撃機乗りの方は、「ハ 45/誉21実機セット」をお使いください。かなりいい感じの音になります。

4・Version3.1の離陸音について

 現在プレーンズオブフェームの零戦52型はエンジンにセルがついています。これは元々「栄21」がセルモーター(電動慣性起動器一型)をつけられるよう設計されていたという事もあり、戦後アメリカで取り付けられたのだそうです。戦時中はセルではなくエナーシャを使い外からの動力で始動していました。「ハ45/誉21実機セット」をお使いの方は、始動音にエナーシャの音が入っているのを、いつも聞いていると思います。そこで、今回は「栄21」の始動音に、あの「ハ45」のエナーシャの音を組み合わせてみました。違和感を無くすのに結構苦労をしましたが(普通に聞こえますが、メチャメチャ細工しています....)かなりいい感じに仕上がっていると思います。 HPの容量に問題が無ければ、エナーシャ無しのセルバージョンもアップしようかと思いますが、私的にはエナーシャバージョンがお勧めです。



さて今回のバージョンアップに関しては、「ハ45/誉21実機セット」と違い、飛んでいる中のある一部分をサンプリングし、漠然とある、「栄21」はどんな音なのか...という自分の待っているイメージに近づける作業がメインとなりました。このVer3,1の音がGILERAのイメージする「栄21」の音です。構想一日・製作半年w、作ったファイルはおよそ250ファイル(毎度の事ながら、製作途中で消してしまってるファイルがあるので....その3割増しくらいかもw)作っておりました。零戦乗りの方が、私と同じイメージであることを祈りつつ、今回のあれやこれやは終了です。次はVK107-Aのバージョンアップを考えています。ま...いつもの通り、いつ...とはいえませんが....。その後は新しいエンジン音を追加したいと考えています。

ではでは、みなさん「栄21」で楽しんでくださいね。

2008.05.05 KURE_GILERA_IOM



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